FM KITAQ 78.5 「KITAQ企画会議」

毎週金曜日21:00~ FM KITAQにて放送中の「KITAQ企画会議」公式ブログです。

【今週のキーワード】「ランチェスター戦略」

○ざっくりいうと・・・
明らかに自分より大きくて強い相手に対して、スキをついて勝利をもぎとっちゃう作戦。弱者の戦略。

f:id:fieldflow:20150516221646j:plain


○ちょっと詳しく・・・

会社にしてもまちにしても、経営して存続させ続けることは大事なことです。
経営する、ということは、自らの価値に気づいてもらい、必要としているひとに届けて行くこと。
それを存続させるためには、いろんな障壁を乗り越えていかなくてはいけません。
単純にライバルと競争するだけじゃなく、世の中の流れに対応していくことが大事になります。

ただ、これって意外と難しいんです。
大きな組織(大きな会社や大きなまち)なら人とお金をつぎ込んでなんとかする、しらみつぶしに対応する、という方法が取れますが、それなりの労力を割かざるを得ません。
これが小さな組織(中小企業やベンチャー、ちいさなまち)では対処できるお金も人も足らなくて、下手をしたら世の中の変化やライバルの台頭によって潰れてしまうことも。
ましてや大きな組織との競争になったら、真っ向勝負では太刀打ちできません。

でも、絶対的に小さい組織が不利かといったらそうでもありません。
やりようはあります。
その答えはシンプルで、小さいなら小さいなりのやり方をすればいいだけです。
小さいことの悪い側面だけじゃなく、いい側面を活かせばいいわけです。
これがランチェスター戦略です。

何かをやるにしても大きな組織は決めるだけでも時間がかかりますし、ブランドイメージを気にするために極端なことはやりにくかったりします。
ですが、小さな組織は小回りも聞いて、さっさとものごとを決められて、ブランドもなにも関係なく、ただ"面白そう!"という観点で動くことができます。
この違いを活かすわけですね。

例えば新しく会社の公式Facebookページを始めるとしましましょう。
大企業は、担当者が企画書を書いて、ルールを決めて、その意義を明確にして、必要なコストを算出して、上司に説明して、なんどか修正したら稟議書を書いて、上司のさらに上司や関係する部署に説明して回って、ハンコをもらって、どこかのエンジニアやデザイナーに発注して、上がってきたデザイン案をいちいち議論して、運用マニュアルつくって、運用担当決めて、運用するに当たってまた関係者に報告して、了承を得て何ヶ月もかかってやっとスタートして。。。
この間、なんども進捗報告やら、会議やらが続くわけです。
これに対して、小さなベンチャーなら、Facebookページをやろう、と話題になったその場で運用が始まってます。
こんな状態なら、とちらに軍配があがるかなんて、議論する余地もなく明らかです。

つまりランチェスター戦略というのは、スポーツの世界でいうところのジャイアントキリングとか、番狂わせとか、そういったものを起こす戦略なんですね。

「そんなこといっても、最終的に大きなところがもってくじゃないか!」
なんて意見もありますが、あながち、そうでもありません。
"小さい"という良さを活かしていけば十分対応していけます。
それにとっておきの対応策もあります。
それはチームになること。
小さな組織同士が、小さいことの強みを活かしたままつながりあっていけば、大きな組織を超える規模にもなり得ます。
そうすれば、結果的には大きな組織よりも大きな成果を得ることも可能になります。
ソーシャルメディアがマスメディアに匹敵する影響力をもったのは、その例のひとつですね。

まぁ、そもそも大きな組織と争う、ということ自体必要なくて、みんながチームになっちゃえば単純にできることも、得られるメリットもさらに大きくなるわけですが。

そういう意味では、現代のランチェスター戦略は、小さな弱者が起点になって、仲間を作ってくことで、世の中を動かしちゃうかもしれない最強の戦略になのかもしれませんね。

文責:リサーチャー 渋谷