FM KITAQ 78.5 「KITAQ企画会議」

毎週金曜日21:00~ FM KITAQにて放送中の「KITAQ企画会議」公式ブログです。

第8回議事録 「北九州の歴史と未来を語る ~ゲスト: 北九州エアターミナル株式会社 代表取締役社長 片山 憲一~」

出席者:

 ・プレゼンター 片山 憲一
 ・プロデューサー 壹岐尾 恵美
 ・ディレクター 秋武 政道
 ・プランナー 岡 秀樹
 ・リサーチャー 渋谷 健


Broadcast live streaming video on Ustream

議事録:

<前回までの振り返り>

・ピラミッドではなく、フラットな組織が必要
・ゼネラリストではなく、スペシャリスト・(クリエイティブな人材が必要
・バランスのとれたチームで価値を生み出す
・キーワードは「学習性無気力」

<今日の流れ>
・ゲスト 北九州エアターミナル株式会社 代表取締役社長 片山 憲一さんをお招きして
・北九州の時代の流れをおいながら、これからの未来の話をしていただく

<議論>
【秋武】
・来てほしかった片山さんをご紹介
・“目をぎらぎらしながら未来を語ってくれる”方、しかも元行政マン、現在北九州エアターミナル代表
【片山】
・北九州は官営八幡製鉄所が出来てからスタートしたわけだが、どうして官営八幡製鉄所ができたか
・地理的要因も大きいいし、鉄道を整備するという時流にもあっていた
・キーワードは製鉄所が来たのではなく、日清戦争の賠償金が集中的に投資されたこと
【秋武】
・北九州は国の投資を活かしてきたまち
【片山】
・これをきっかけに8万にしかいないまちに、人が集まり、投資が集まり、サイクルが生まれた
・鉄道と路面電車を中心にまちが出来上がってきた
・敗戦後、中国から鉄が入らず、厳しい状態になったが、朝鮮戦争があったので特需があって復活した
・その後、全国総合開発で北九州で指定され、まちを再整備する流れが出来た
路面電車、国道119号、そして北九州のまちはひとつになった
・合併は衰退を避けるための施策だった
・1985年のプラザ合意で為替が不利になり、鉄冷えと呼ばれる不景気の状況になった
・工業を進めていくことは、雇用を不要にしていくことに当時は気づいていなかった
・ものづくりで不要になった雇用をどういかすか、その議論があればよかった
・日産などの工場=加工組み立ては雇用の吸収力があったので誘致をしていた
・それでも吸収力は追いつかず、雇用減少・人口減少は続いた
・工業だけでなく、観光でも、という流れができ、門司港レトロなどが動いたが、観光は雇用を生むまでに時間がかかる
・結局はタイムラグがあって、人口減少は続いた
・ものづくりのほこりで、サービス業にシフトできていないところがある
【秋武】
門司港レトロは、素晴らしい観光マインドをもてたか?
【片山】
・観光で雇用を生む、というところは欠けている
・それがあれば、本当にいい場所
【秋武】
・商売というところではまだまだできていない
【壹岐尾】
/ものづくりの歴史があるが故に、サービス業の話が上手にできていない
【秋武】
・これからはサービス産業の時代になる
【秋武】
・3次産業や6次産業のような、ものづくりとは別の産業が必要
・空港に関わっている立場から、関門海峡道路や北九州空港の滑走路延長、東九州自動車道などのインフラ整備が進んでいるが、今後の可能性は?
【片山】
・施設はできると思うがサービスがない
門司港レトロと同じ状態
・本当にお金がとれる取り組みができるかどうか
・残念ながら北九州は福岡よりもマーケットが小さくなる
【渋谷】
・中小企業やベンチャーの取るべき戦略と、北九州市がとるべき戦略は似ている
【片山】
・福岡ががんばると、北九州も儲かる、ということを忘れてはダメ
・北海道の函館で札幌や小樽の人に泊まってもらうようにしているように、福岡に来る人に泊まってもらえるようにする
・発想を転換して、来た人を同行するだけじゃなく、来てもらう理由をつくることが大事
・物流についても同じ
【秋武】
門司港に泊まってもらおうと思うと、ホテルが少ないので対応が必要
【片山】
・ホテルの質は福岡のほうが上
・だったら、空き家をリノベーションして、屋上テラスなどをつくり門司港らしさを出すことが大事
【秋武】
・付加価値にお金を出してもら(風景など)にお金を出してもらう
【片山】
・差別化をしていくことが大事
・リノベーションなどの手法は大事だと思う
【岡】
・リノベーションで、従来ある良さを活かす
・単体の建物だけでなく、全体のデザインを創っていことが大事
【片山】
・下関出身の方が実際に屋上テラスをやっている
・強みを寄せ集めたら、もっといろいろできる
・巌流島が眼下に見える空き家も活かしたらもっとできることがある
【岡】
・価値を見直すということをフラットに見て、デザインし直すことが大事
【片山】
門司港に来た人を、皿倉山に呼んで、八幡に泊まってもらう仕掛けなんていうのもあり
【秋武】
門司港は入り口で、北九州を深い街として観光してもらうのがいい
【片山】
・逆に八幡に来た人が、門司港に泊まるような仕掛けも全然できる
【秋武】
・八幡と門司港は異なる層のお客さんが来る
【片山】
・八幡は産業遺産が世界遺産登録できれば外国の方を呼び込める
・外国人にとっては広島は隣町
【渋谷】
・ひとつづついいのに、点になっているのが北九州
【片山】
・点で存在してもよくて、線としてつないでいくことが大事
・例えば観光コースなど
【岡】
・良さはあるけどコンテンツになっていない状態を変えるべき
【片山】
・それをまず仕事して創っていくことが大事
【秋武】
・ものづくりだから、創り込んでいくの好きかもしれない
【片山】
西鉄グランパス65は創り込んでいけばいい
・使い方だけの問題で、すでに繋がれる素養が沢山ある
【岡】
・まずコンテンツを考えること、そしてプラットフォームとしての整理が必要
【片山】
・北九州としてベースとなって稼ぐものが必要
・それは高齢者ビジネス
・1日30名がなくなり、3000万円の遺産を残し、空き家が出来ている状況がある
・お金を使うところがあったら、高齢者に向けたビジネスがある
・門司にいったら、たくさんの美容室があり、おばあちゃんが毎週使っていた
・このまちは時代が変わってきて、企業誘致から人材誘致の時代に変わった
・なんでも自分で創るのではなく、よそから来てもらって教えてもらうことが重要
・このまちはライフスタイルを実現できるまち、仕事終わりにゴルフ、毎朝自然の中で散歩、サーフィンも
・そとから来る人のニーズを満たしていくことが大事(サーフボードを置く、100平米の1ルーム)
・来てくれるなら、プロジェクトベースでもいい
コワーキングスペースに居住スペースにする
【渋谷】
・実体験として、北九州でライフスタイルは自由になる可能性がある
【片山】
・空き家対策にもなる
・エージェントがいなければ、呼んでくればいい
【秋山】
・交流人口として、仕事に来てもらっていろいろやる場所になる
・観光だけじゃない
【岡】
・人を借りるのも、短期・長期・いろいろなパターンがあっていい
【渋谷】
・情報が集まってくる場所になれる
【片山】
・アートインクラフトなど、新しいイノベーションを起こそうとおもったらここにくる、という仕掛けにできる
【岡】
・その取り組みとして、ローカル・クラウド・ファンディングを秘密基地としてはスタートしていく
・何か新しいことをやる、イノベーションをするときに、資金をサポートするプログラムになる
【片山】
・北九州は職人inレジデンスはすごくいいと思う
・外国人を連れていくことは十分できる
【渋谷】
・高齢者をターゲットにした、イノベーションが大きな可能性になる
【片山】
・高齢者ビジネスをリードしていけるポテンシャルはある
・だが、ユニバーサルデザインの発想がない、トータルでみていない
・町中でできているととってもいい
【渋谷】
ユニバーサルデザインの考え方=だれにとってもいいものである、そして全体先的の俯瞰的な視点をもつことが大事だと感じた
【片山】
・私の場合は現場で、お金のない中で何とかしようとつくりあげたもの
・北九州はまだまだユニバーサルデザイン全体最適はまだまだ使いきれていない
・行政ではできないところがあるので、みんあでやってほしい
【壹岐尾】
・本当に北九州は可能性があると感じた

<リサーチャーの怒りコーナー>
「見えない価値を語れ」
・北九州はものにはお金を払うが、ソフトにはお金を払わない
・もっと見えない価値について議論して、扱えたら、北九州はもっともっとできるはず

 
<まとめ>
・本当にコンテンツを活かしていける“ユニバーサル”なプラットフォームが必要
・個別の最適じゃなく、パブリックな視点での全体最適
・プラットフォーム同士もつながっていく、高次元のアプローチが大事
・差別化する仕掛けで、お金とひとを得ていく

<宿題・ベイビーステップ
・空港に行こう!

<今週のキーワード>
ユニーバーサル・デザイン