FM KITAQ 78.5 「KITAQ企画会議」

毎週金曜日21:00~ FM KITAQにて放送中の「KITAQ企画会議」公式ブログです。

第5回議事録 「北九州の現状を知る ~人口問題~」

出席者:

 ・プロデューサー 壹岐尾 恵美
 ・ディレクター 秋武 政道
 ・リサーチャー 渋谷 健


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議事録:

<前回までの振り返り>
 ・KITAQ企画会議を通じてどんな未来が創れるか
 ・新しいことにトライできる場にしたい
 ・課題先進都市である北九州だからこそ、まちの課題を価値に変えていく
 ・世界に発信する場所として、ハッピーを創り出していきたい
 ・世界に繋がり、新しい可能性のウェーブをつくって世界に発信していきたい
 ・まずは現状をしっかり見るところから始める
 ・大きなキーワードはベイビーステップ

<今日の流れ>

 ・北九州の人口問題の現状と課題を知り、その先にある可能性を考える
<議論>
 【秋武】
 ・北九州としても人口減少は大きな問題であり、如何に維持していくかが大事
 ・税収ともリンクする為、北九州市行政としても大きな課題なのではないかと感じている
 ・そもそも人口減少はいけないことなのか?
 ・市議会の中でも人口を100万人に戻す、増やすという議論があるが、それは真なのか?
 【渋谷】
 ・人口減少を語る前に、世界で起きている人口爆発の問題をまず整理する
 【秋武】
 ・新興国が70年代のような動きになっており、かつての日本の高度経済成長期のような流れになっている
 【渋谷】
 <世界の流れ>
 ・新興国を中心に世界中では人口爆発が起きている
 ・現在70億人の人口は2050年には96億人になる
 ・世界の平均寿命は21世紀中に89歳になる
 ・子どもが生まれ、死なない社会に世界的になっている
 ・人口が増えると、食料や水、エネルギーが不足し、戦争の原因になる
 ・人間が住む場所を開発し、都市化が進んでいる為、環境の負担が増している
 ・世界中に100万人都市が増えており、エネルギー需要も高まり、食料の不足し、目に見えない公害も起こしてしまう
 ・綺麗にどうなっているかを説明しるのは難しい
 ・ただ、人口爆発によって複雑な問題が同時多発的に起きているということを認識することが必要
 <日本の状況>
 ・日本は一方で人口減少が進んでおり、課題としては先進的
 ・人口が増え続けると、いつか限界が来て減少が始まる、日本はそのステージにきている
 ・2014年現在で65歳以上の人口は25%を超えた
 ・出生率は先進国の中では著しく低い1.41(出生率は2を切ると減っていく)
 ・2050年までに9700万人まで減り、高齢化率は38%になる
 ・何かをやるときにほぼ半分が高齢者になり、若者は珍しい存在になっていく
 ・65歳以上が増えていくことで、社会に必要な機能を維持することが難しくなっていくことが予想される
 ・例えば、道路や建物を作ったり直したりできる人が減っていき、住環境・生活環境が悪化することが考えらえる
 ・これを保障しようとして医療費や社会保障費を増やそうとしても、税金を払う現役世代の負担がどんどん高まる
 ・結局お金が足らなくなるので、サービスの質や量を下げる
 ・例えば年金の受給金額があがったり、金額が下がっていくことがあげられる
 ・その状況が続いたら、単に市民の不満が高まって、暴動が起きる
 ・2025年には36%社会保障費の総額は36%増え、148.9兆円になる
 ・そうなると財源不足から自治体が維持できなくなり、1750ある自治体のうち896が消えることになる
 ・働き手・現役世代は41.5%減少する
 ・結果、社会保障の負担は一人当たり倍ぐらいの負担になる
 ・給与明細の社会保障費の金額が倍になるような世界が来る
 <北九州の状況>
 ・北九州の高齢化率は、27.2%。
 ・北九州市の人口減少は1980年代の107万人をピークに減少し始めた
 ・2030年には80万人になり、高齢化率30%になる
 ・2005年日本銀行北九州支店が出したシナリオのうち、最悪のシナリオが進んでいる状態にある
 ・人口減少によって、どんなことが起きているか、リアリティをもって考えてみる
 ・普段の生活の中で人口減少を感じることはあるか?
 【壹岐尾】
 ・魚町銀天街の土曜日はひとがわんさかいたが、今は週末に人とぶつかることもなく歩ける
 【秋武】
 ・商業施設がが遊園地感覚で街中にたくさん人がいた
 ・ずっと続けた店が商店主に年配の方が多い
 【渋谷】
 ・商店街に若者が少なくなった
 【秋武】
 ・大学があれば若者もいるが、そうでないと難しい
 【渋谷】
 ・新しい活動は生まれてくれるイメージがあるか
 【壹岐尾】
 ・イメージはあまりない。
 【秋武】
 ・大型備品でにぎわい感をつくっている状態だが、何かが生まれるような感じはしていない
 【渋谷】
 ・人がいっぱいいればそもそも助成金がいらないはず
 ・ひとがいて、潤っていれば問題ないが、実際には活力がないから助成金に頼っている
 【秋武】
 ・負のスパイラルに入っている、という状態
 ・みんながどよーんとして、何かに頼る雰囲気が蔓延している
 【渋谷】
 ・可能な限り、事実を客観的に伝えていきたい
 ・残念ながら、なんとか踏ん張っている高齢の方たちもいつかなくなる
 ・そうなれば、技術や文化が継承できないことも考えられる
 ・人口が減少によって、文化が失われるリスクもある
 ・財政の問題もあるが、それ以前にこのまちを持続できるかどうか、というところが大きな問題
 【秋武】
 ・人口減少からの厳しい問題がある
 ・この問題から、どうやって価値に変えていくことができるか
 【壹岐尾】
 ・このどんより感を何とかしたい
 【渋谷】
 ・このどんより感が本音で、だからあまり皆さんが話を避けてきている理由かもしれない
 ・ただ、見方を変えれば価値を生み出すことはできる
 ・北九州は世界で一番先っぽを走っている
 ・例えばこの状態を解決すれば、世界に誇る価値を創れる
 ・それを創るかどうかの選択を私たちはできる
 ・やり方はすごく難しかもしれない
 ・だが、この問題は当事者だから解決できることが多く存在する
 ・例えば数字的に見れば、毎年7000人ぐらいが出生・転入し、10000人ぐらいが死亡・転出している
 ・これを数字として見るだけでなく、ひとつひとつの人生が、10000あると思ったら、それを丁寧に扱うことは現場でしかできない
 【秋武】
 ・人口減少があったからこそ、いい世界を作れた、ということもできるかもしえない
 ・そのために伸ばせるものがあるはず
 ・流出を増やしたり、出生を増やしたり。
 ・あえて高齢者層を増やすことも考えることもできる
 ・元気な高齢者がたくさんあつまったら、若者以上にパワーを持ってくれるかもしれない
 ・生産人口減少を補って余りある、生産性向上も図れるはず
 【渋谷】
 ・人口を増やす施策・維持する施策と、短期的施策・中長期的施策を組み合わせて考える
 ・人口増×短期的施策はまちづくり、まちの魅力を発信すること
 ・人口維持×短期的施策はまちからの流出を防ぐ、共存型のまちづくり、まちのホスピタリティづくり
 ・人口増×中長的施策は、子育て支援、子どもを産みやすい、女性が働きやすい環境をつくる
 ・女性が男性のように働くことがただしい働き方なのか、より自由度の高い働き方があるのではないか
 ・男性も子育てに参加する働き方がある
 ・地域でこどもを見る、ケアする方法もある
 ・人口維持×中長的施策は、元気に暮らすための健康づくり
 ・たとえば、笑顔であると病気になりにくい、統計データがあるのだから、北九州でみんなが笑っている状態を作れたらいいかもしれない
 ・まずは短期的な施策からやっていくことが必要
 ・ただ、これでもまだまだ抽象的で、ひとりひとりが”私が何をやるか”という議論ができるといい
 【秋武】
 ・単純な税金の高い安いでは語れなくなる
 ・お金だけの価値じゃなくなる
 ・私が何ができるかというところから、住民が自律が出来て、自治できて、継続できるまちにしたい
 ・それが循環を生み、活力を創りだしていく
 ・住民がいかに自立心をもつか、が大事
 ・社会制度とは別建ての施策が必要
 【壹岐尾】
 ・個人個人がやっていく意識を持たないと進まない
 ・それがないと結局助成金、という発想になっちゃう
 【秋武】
 ・選択と集中の施策によって、自活でければ、切り捨てられしまうことも考えらえる
 ・心を育てていく世界であるため、長期的なシナリオだが、いまからの一歩目が必要
 ・人口減少はそんなに悲観していない
 ・AIが2040年ごろに人間を追い越すことになる
 ・世の中がルンバやペッパーのようなロボットだらけになって、人口減少をカバーしてくれえる可能性がある
 ・人間とロボットの住み分けがでいれば、可能性はある
 ・北九州の場でそれを実現していくことも十分できる
 ・若者の取り合いが地域間競争になるが、これは全体としてよくないかもしrない
 ・定年退職後は社会的活動をして活躍できるまちになれば、アメーバのようにあらたな取り組みが生まれれば、北九州の可能性がひろがっていくことも考えられる
 【壹岐尾】
 ・映画の世界で起きているようなことだが、実現できる可能性は十分にありそう
 【秋武】
 ・小学生・中学生からものづくりの精神をもってもらい、ロボットを創るくせをつくっていけばいい
 ・それを続ければ、最初は秘密基地などのクリエイターが引っ張っていき、今の子どもたちが大人になった時に自活精神で動けるようになるかもしれない
 【渋谷】
 ・都市経営の観点からみていきたい
 ・あくまでも起きていることは事実
 ・大事なことは、これに対してどう向き合うか
 ・組織のサイズ、人口は"最適”であることが求められる
 【秋武】
 ・バランスの取れた都市経営をしていくことが大事

<まとめ>
 ・北九州の人口減少は、世界の最たる例となっている
 ・ここに課題を価値に変えるチャンスがある
 ・住民の自活・自律が大事
 ・都市経営を最適化していくことが大事

<宿題>
 ・住民としての自律に考えを巡らす

ベイビーステップ
 ・自分のまちの高齢化がどうなっているか、眺めてみる
 ・高齢者にNPOを作ってもらうアクションを始める
 ・女性として何かを考える

<今週のキーワード>
「自律」